アルバイトと正規社員の相違点

フリーターか正社員か

給料が低い代わりに自由な時間をたくさん取れるフリーターと忙しい代わりに一定の給料がもらえる正社員のどちらが良いのかについては最近よく議論がされます。

この正社員として働くのが良いのか、それともフリーターという立場で働くのが良いのかについては両者の相違点をきちんと把握したうえでどちらがあなたに向いているかを考えた上で判断するのが一番です。

しかし、正社員とフリーターでは何が決定的に異なっており、どんな共通点があるのかという点についてはなかなか知る機会はないと思います。

そこでこのページでは現在は正社員として働きながらもフリーター歴が3年ほどある管理人がフリーターと正社員にはどんな違いと共通点があるのか。

そしてフリーターとして働く事と正社員になることのどちらが美味しいのかについて自身の経験を交えてご紹介していきます。

フリーターと正規雇用者違いの一覧

フリーターと正社員は全くの別物だとよく認識されておりますが両者では何が違うのかについてはそこまで詳しく知られておりません。

そこでフリーターと正社員雇用の大きな違いを一覧にしてみました

比較項目正社員フリーター
生涯年収2億円6千万円
給与体系固定給時給性
終身雇用制あり無し
世間体良い悪い
転職時の評価高評価低評価

ここで一覧にしましたように正社員とフリーターでは企業から期待される役割も企業側から受ける恩恵も全くの別物。ちなみに先ほどの表の中で取り上げた

  1. 生涯年収の違い
  2. 固定給か時給か
  3. 終身雇用の有無
  4. 世間からの目の違い
  5. 転職のしやすさ

という5つの違いについてはこれから1つずつ取り上げていきますのでぜひご覧くださいませ。

生涯年収

最初に取り上げるのは生涯年収の違いです。

生涯賃金の差はなんと4倍

サラリーマンの生涯年収は2億円~3億円といわれております。その一方でフリーターの生涯年収はせいぜい6千万円です。

ちなみにこの6千万円という金額はハタラクティブのサイト内の記事である「フリーターの平均年収はどれくらいなの?収入アップの方法はある?」の中に取り上げられていた非正規の平均年収は150万円という金額に40年の勤続年数をかけて算出しました。

この6千万円という生涯年収の額は2億円~3億円という正社員の生涯年収からすると大きく見落ちますし、金額を比較すると4分の1程度の水準になります。

差の発生の鍵はボーナスの有無

それではどうしてこれだけの差が発生するかというと、ボーナスの存在と昇給が原因となっております。

実は正社員の場合は普通の企業であれば毎年ボーナスが1回または2回もらえます。

しかもこのボーナスはなんと月収の2か月分だったり、1か月分だったとします。

つまり、仮に年に2回も2か月分のボーナスをもらえる会社の場合、なんと4か月分の月収がボーナスとして毎年振り込まれるのです。

また昇給に関しても正社員の場合は毎年上がるうえに役職につけば役職給がもらえます。

その一方でフリーターの場合は基本的にどの企業もボーナスを支給する対象になりません。しかも昇給も基本的には見込めません。

その結果として年収ベースで考えると正社員と比較すると支給される給与は大きく見劣りする結果になります。

固定給か時給か

生涯年収の金額と同様に正社員とフリーターで決定的に違うのは賃金の形態です。

まず前者の正社員に関しては月収30万円、といったように固定の金額となっております。

そのため、ゴールデンウイークや年末年始などによる連休によって出勤日数が少なくなる5月や12月でも契約書に書かれている月額の給与が30万円ならば30万円がもらえます。

その一方で後者のフリーターの場合は時給制である以上、働いた時間に応じて給与が決まります。その結果として連休で出勤日が減る5月や12月には通常所得が減るのです。

このように月額○○万円といった形で支給される給与の額が固定されている正社員の方が所得の安定性は圧倒的に高いと言えるでしょう。

終身雇用の有無

3つ目に取り上げる正社員とフリーターの大きな違いは終身雇用制があるかないかです。

最近の日本では終身雇用制度は事実上なくなっているとはいえ、法律的な観点での正規雇用者に対する保証は相当手厚いです。

なぜなら、正規雇用者という契約形態で働けば例え仕事が出来なくても普通に職場に足を運び、定時の時間働いていれば首になることがないからです。

それに仮にクビを宣告された場合であっても会社を相手に裁判を起こせば従業員側に重大な落ち度がない限りは「解雇無効」という結果になります。

その一方でフリーターはというと、正社員と比較すると解雇へのハードルが低い上に法的な保護も正社員と比べるとかなり緩いです。

その結果としてフリーターには「定年まで働ける」という保証がないことに加えて「来月には仕事が無くなる」というリスクを常に背負い続けることになります。

世間からの目の違い

雇用の安定性やもらえる賃金に大きな差がある以上、日本では「フリーターではなくて正社員として働くべき」という風潮があります。

そのため、フリーターという身分で働いていると世間の目は冷たくなります。中でも特に問題になるのが恋愛面における異性からの評価

実は女性の中には「フリーターの男とは付き合えない、結婚したくない」というスタンスを持つ人は一定数います。

現に管理人自身、フリーターであったがゆえに振られたこともありました。

それがひとたび正社員になったところ、フリーター時代には見向きもされなかった女性と食事に行けるようになりました。

このようにフリーターと正社員では世間からの風当たりに大きな差があるという点は押さえておきたいですね。

転職のしやすさ

これは数年間フリーター生活をやっていた管理人だから言えるのですが、フリーターとしてのキャリアは通常は転職市場では評価されません。

なぜなら、仮にあなたがアルバイトリーダーとしてすごい実績を出したとしても雇用形態がフリーターの場合は企業の面接では「正規雇用になれなかった人のアピール」としか見られないからです。

それにひどい会社の場合、フリーター歴が長いだけで「働く意欲がない人材」として低評価を与えます

その結果として正社員になるための転職をしようとしても正社員ではなくてアルバイトや契約社員としての雇用形態を打診されることが多いです。

その一方で正社員としてきちんと働いていれば「正社員として企業に雇用されていた優良人材」として転職市場では見なされるので、フリーターとしての勤務経験が長い人よりも格段に転職市場で評価されます。

このフリーターと正社員における転職市場での評価の違いについては長い人生のキャリアを考える際に重要になるので絶対に押さえておきたいですね。

正社員とフリーターの共通点とは?

これまで正社員とフリーターと決定的な違いについて取り上げてきましたが、実は両者にはこれから紹介する3つの共通点があります

  1. 企業に所属している
  2. 社会保険に加入できる
  3. 失業保険を受けられる

ここで一覧にした1~3のそれぞれの内容については上から順番に1つずつ簡単にご紹介します。

企業に所属している

週5日に企業に出勤しなくてはいけない正社員は言うまでもありませんが、フリーターもアルバイトという形で企業に雇入れられているので企業の従業員の一人です。

そのため、雇用形態には違いはあるものの勤務時間中は雇用されている企業側の就業ルールに従う必要がありますし、毎年の年度末に行われる確定申告も年末調整という形で企業側にやってもらえます。

このようにフリーターも正社員も企業に所属している労働者である、という点は共通点であるという点は押さえておきたいですね。

社会保険に加入できる

2つ目に取り上げる共通点はフリーターも正社員も一定の条件さえ満たせば企業側が用意した社会保険に加入することになる点です。

現行の日本の法律では週の労働時間が30時間を超える場合は正社員ではなくバイトでも企業は社会保険に入れなくてはいけません。
社会保険の適用拡大 – 日本年金機構参照

もちろん企業によってはフリーターには社会保険を加入させないようにする方針もありますが、法的な基準に照らし合わせると完全に違法。

つまり、仮にフリーターという形で企業で働いていたとしても週30時間を超える労働を継続的に行えば正規雇用者と同様に社会保険に加入できるのです。

この一定の条件を満たせば社会保険に加入できる、という点は正社員とフリーターの重要な共通点なのでぜひ押さえておきましょう。

失業保険を受けられる

3つ目に取り上げる共通点はどちらも失業保険を受けられる点。

これは先ほどお話しした社会保険の話とかぶりますが、フリーターも週に20時間以上働いていれば社会保険に加入することになるので社会保険の1つである雇用保険にも入れます。

そのため、会社を辞めたとしても失業保険の認定資格を満たしていれば自ずと失業保険を受ける資格が得られます。

意外と失業保険を受けられるのは正社員だけ、と思っている人は多いのでフリーターでも失業保険を受けられるというのは覚えておきたいですね。

絶対に正社員の方がお得

ここまでフリーターと正社員の共通点並びに違いをご紹介しました。

率直な話になりますが、両者を比較すると正社員の方がおいしい点点もあればフリーターの方が有利な点もあるのでどっちの雇用形態で働くべきかはあなたのスタンス次第になります。

ですが、フリーターと正社員の両方を経験した管理人としては断然正社員の方がおいしいと思います。

その理由はやっぱり給料の額と失職リスクの気にしなくてよい点です。

まず前者の給料に関しては正社員になれば仕事自体はフリーター時代と同じであってもフリーター時代よりも年収ベースで50万円~100万円が上がります。これは大きいですよね。

そして後者の失職リスクに関しては正社員になれば突然仕事にあぶれることはない以上、常に失職リスクを抱えていなければいけないフリーター時代と比較すると精神的に安定します。

この給料の増額と「真の安定」を得られる点を考えるとフリーターとして働き続けるよりは正規雇用者として働いた方がおいしい、といえます。

正規雇用者として就職する方法

「フリーターよりも正社員の方がお得だ」といいましたが、長くフリーターとして働き続けると正社員になるのが簡単ではないのも事実。

そこでここでは現在フリーターをしている人が正社員としての仕事を獲得するための5つの方法を一覧にしてみたのでご覧くださいませ。

  1. 新卒・第2新卒枠を使う
  2. 転職エージェントに相談する
  3. 企業の正社員枠を受ける
  4. 今の職場の正社員登用試験を受ける
  5. 奥の手はITスクールに通う

ここで一覧にしたそれぞれの詳細は簡単にご紹介します。

新卒・第2新卒枠を使う

まず最初にご紹介する方法は企業の新卒・第2新卒枠を利用することです。

そもそもこの新卒・第2新卒枠というのは、はじめてバイトではなく社員という雇用形態で就職する20代や社会人経験が3年未満の若手を対象にした育成メンバーとしての採用枠です。

要するに雑に言ってしまえばキャリア採用ではなく、未経験の若手に対するポテンシャル採用みたいなものです。

この新卒・第2新卒という採用枠で企業の選考を受けられる場合、若さをはじめとした将来の「伸びしろ」を売り込めます

若さはそれだけで武器になる以上、若さが武器にならない30代や20代後半を対象とした中途採用よりもはるかに簡単に正社員としての内定が取れます。

そのため、もしあなたがまだ若さを企業に売り込める年齢でしたら新卒・第2新卒の採用枠で正規雇用者になることを目指すのが良いでしょう。

企業の正社員枠を受ける

先ほど取り上げた新卒・第2新卒枠で選考を受けられるのが理想的ですが、20代の半ばを過ぎたフリーターの場合は年齢がネックになって新卒や第2新卒の採用枠を利用できないケースもあります。

このケースでは普通の正社員の採用枠を利用して面接に臨むことになります。これは新卒・第2新卒の採用枠を利用したケースよりは正規雇用者になるハードルが上がりますがそこまで心配しなくてよいです。

なぜなら今の日本は景気が良いのであまりに高い給与を望まなければば正社員の求人は無数に見つかるからです。

しかも現在の労働市場では求職者は完全な売り手となっており、35歳以下であれば「未経験でも可」という正社員求人も実は少なくありません

転職エージェントに相談する

実は転職エージェントの中には非正規雇用者を正規雇用者にすることを得意にしているエージェントもあります。

こういった正社員としての就業支援に強い転職エージェントを利用すれば仮にあなたがのフリーター歴が数年と長かったとしてもあなたに合った正社員求人を複数紹介してくれます。

紹介してもらった正社員求人の採用試験を受けて内定をもらえれば無事にフリーターを卒業して正規雇用という形で就業が出来ます。

原則として転職エージェントの利用には一切のお金がかかりませんので、本気でフリーターを卒業したいのでしたら利用しない手はありません。

今の職場の正社員登用試験を受ける

4つ目にご紹介するフリーターの脱却方法は現在アルバイトしている職場の正社員登用試験を受けることです。

例えばあなたがフリーターとしてパチンコ屋の店員として働いていたとします。このケースではパチンコ屋の店主に社員雇用をしてもらえるように交渉します。

あなたの働きぶりが本当に素晴らしければ話くらいは聞いてもらえるはずです。そして交渉をした後に社員登用が認められれば無事にフリーターを卒業できます。

このアルバイト先での社員登用は就職活動というエネルギーがかかる行為をせずにフリーターを脱却できるので今の職場が嫌いではないのでしたら利用してみるとよいでしょう。

奥の手はITスクールに通う

最後に取り上げるのは正社員としての就業チャンスを手に入れる際のウルトラシープランです。

このウルトラシープランというのは、ITスクールに通ってプログラミングをはじめとした市場性のあるITスキルを身に付け、身に付けたスキルをベースに就業先を探すことです。

実は今の日本ではプログラミングやWEBデザインといったIT関係のスキルを持っている人材はどの企業でも欲しがられますが、ITスキルを持っている人材の数が非常に少ないという実情があります。

そのため、フリーターとしての勤務歴が長かったとしてもIT関係の技術を覚えてしまえば企業からすれば「喉から手が出るほど欲しい人材」になれてしまうのです。

この企業側から「欲しい」と思われる人材になれば正規雇用者として就業するのはさほど難しくありません。

それにそもそもの話、プログラミングをはじめとしたIT関連の技を教えてくれるITスクールの中には卒業生の転職や職探しをサポートする制度があるケースもあります。

この制度を利用すればスキルを覚えた時点で正規雇用者としての就業はほぼ確約されたようなものです。そこでもしあなたが本気で正社員になりたいのでしたらITスクールに通ってIT関連のスキルを得ましょう

まとめ:アルバイト人生は損

これにてこのページの核となる内容は取り上げ切りましたので、復習を込めてこれまで取り上げた内容の中で絶対に押さえておきたい4つのポイントを一覧にしてみましたので一緒に振り返ってみましょう。

  1. 正社員の方がフリーターよりも断然お得
  2. 長期のバイト生活はデメリットばかり
  3. 景気が良い今は正社員になりやすい
  4. 意外と正規雇用の求人は多い

ここで取り上げたポイントはどれも大事ですが、中でも1の「正社員の方がフリーターよりも断然お得」という点と3の「景気が良い今は正社員になりやすい」という点は絶対に押さえておきたいポイントになります。

そしてこの2つのポイントを考量すると正社員の求人が大量にある今の時代にフリーターとして働き続けるのは夢を追ったり、親の介護があるといった特殊な理由がなければ完全に損な選択になります。

そこでもしあなたが正社員として働けない明確な理由がないのでしたらフリーター生活を辞めて正社員として働ける環境を探してみることをおすすめします。

最後にこのページに目を通して方々に人気のページを2つご紹介しますのでぜひご覧くださいませ。

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