派遣社員から正社員になりたい、という夢と希望を抱いている人は多いでしょう。
正社員と同じだけの仕事をしても給料や待遇の低い派遣社員よりも、正社員は魅力的です。一方で、派遣社員の方が気楽で良いからそのままがいいという声も最近は増えています。
派遣社員の方が正社員よりも責任は少ないですが、その分デメリットも大きいのです。そこで今回は、
- 派遣社員から正社員になるメリットとは?
- 派遣社員のままでいるメリット
- 派遣社員から正社員になるなら何歳まで?
- 派遣社員から正社員になるおすすめの方法
- 派遣社員から正社員になる最速の方法とは?
これらについて、筆者自身が派遣社員から正社員を目指して就職活動をした経験を元にお話しします。
派遣社員から正社員になりたい全ての人必見の内容です。
派遣社員から正社員になるメリットとは?
なんとなく正社員がいいと思っている人はいますが、派遣社員から正社員になるメリットは大きいです。
派遣社員から正社員になるとどんな良いことがあるか、ご説明します。正社員を目指して頑張る原動力にしてください。
解雇のリスクが減る
派遣社員から正社員になると、解雇されるリスクは激減します。派遣社員とは違って正社員を理由なく解雇することはできないからです。
派遣社員は約1ヶ月〜3ヶ月程度の契約期間があり、会社側としては契約期間終了時に更新しなければいい話なので、解雇対象になりやすいのです。
正社員は解雇しても退職金を支払う必要が出てきますが、派遣社員であれば退職金も要りませんからね。
また必要になった時に派遣会社を通じて人員確保をすれば良い、と考えることもできます。
派遣社員は会社側にとって、非常に都合の良い存在なのです。
ボーナスや育児休暇などの福利厚生が充実している
ボーナスや育児休暇といった福利厚生が充実しているのも正社員のメリットです。
派遣社員から正社員になると、会社で受けられる福利厚生が段違いに増えます。具体的には年2回のボーナス(賞与)や育児休業精度があります。
病気やケガを理由に仕事ができなくなったとしても、復帰できる仕事場が保証されているというだけで、気持ちの余裕ができます。
派遣社員であれば、病気やケガで倒れて仕事ができなくなってしまえばその分収入が減るだけです。
昇給昇進で収入が上がりやすい
派遣社員から正社員になると、昇給や昇進で収入が増える機会に恵まれます。
昇進の機会は責任の大きい仕事を任された上で結果を残した人に巡ってくるものです。
そもそも責任の少ない仕事しかできない派遣社員には昇進や昇給という機会はほぼありません。
派遣社員でいる限り、能力やスキルがそれほど無くてもできるような仕事しか任されないからですね。そういう意味ではアルバイト等と変わりません。
派遣社員から正社員になることで、収入が上がりやすい理由は昇給昇進の有無によるものが大きいのです。
大きな仕事ややりがいのある仕事を任されるようになる
大きな仕事ややりがいのある仕事に憧れる人は多いですが、それには当然責任が伴います。責任の大きい仕事は責任を持てない派遣社員には回ってきません。
あなたがいくら優秀だとしても、派遣社員というだけで重要な仕事は任されないというのが現実です。
いざとなれば派遣会社を巻き込む責任問題になってしまうので、迂闊に任せられませんからね。
逆に派遣社員から正社員になれば、優秀な人ほど大きな仕事が回ってくるようになり、成果を上げやすくなり、昇給昇進の機会にも恵まれます。
派遣社員から正社員になったことで、やりがいのある仕事を任されるようになるケースはとても多いのです。
派遣社員のままでは自分の才能を埋もれさせてしまう……そんなことにもなりかねません。
世間的な信用度が上がる
派遣社員から正社員になれば、世間的な信用度が段違いに上がります。
例えばクレジットカードを複数枚作ることも可能ですし、住宅ローンを組むこともできます。
結婚しようとした相手に派遣社員というと不安を持たれますが、正社員といえば大抵安心されます。
派遣社員は人間らしくない扱いをされることも多いですが、正社員はその会社の人間ですから、きちんと育ててくれる会社がほとんどです。
家族や友人にも派遣社員から正社員になったといえば、安心されたり祝福されたりすることが多いでしょう。
世間的に見れば、派遣社員から正社員になることで、社会的な地位が大きく変化するのが分かります。
正社員ではなく派遣社員でいるメリットはある?
ここまで派遣社員から正社員になるメリットをお話ししてきましたが、逆に正社員では無く派遣社員でいるメリットはあるのでしょうか。
人によっては派遣社員でいるメリットもあります。
- 仕事時間が契約で決まっていて予定を組みやすい
- 残業の義務はない
- 合わなければ辞めやすい
- 一定期間つなぎの仕事としてやりやすい
- 派遣会社が仲介役をしてくれる
このようなメリットを踏まえ、求職期間中のつなぎの仕事としてやる人や、育児などのために限られた時間で働きたい人には向いています。
ただし、多くの人にはデメリットの方が多いため、派遣社員から正社員になることを目指すのがおすすめです。
派遣社員から正社員になるなら何歳まで?
派遣社員から正社員になれるのは何歳までか気になりますよね。
一般的には30歳くらいまでといわれています。
30歳を過ぎるとほとんどの正社員が重要な役職に就いており、決まった範囲の仕事しかできない派遣社員をわざわざ正社員として雇う意味がなくなります。
30歳以上とわかった時点で落とされることも多いです。
20代後半でそれなりに経験もあって新しいことを吸収するリソースもある人材であれば、求める企業は多いですが、30歳になれば求人数がぐっと減ります。
筆者は28歳で正社員になるための就職活動を始めましたが、ほとんどの求人対象が20代後半まででした。
派遣社員から正社員になれるボーダーラインは30歳と覚えておきましょう。
派遣社員から正社員になるおすすめの方法
正社員になった方が良いというのは分かったけれども、そうはいっても派遣社員から正社員になる方法すらわからないという人がほとんどです。
派遣社員から正社員になるための制度やツールを使いこなせばそう難しいことではありません。
ここでは派遣社員から正社員になるおすすめの方法を4つご紹介します。
正社員登用制度を利用する
最も一般的な方法は正社員登用制度を利用することです。
正社員登用制度では、非正規社員として働いている人を試験などで選抜して正社員に起用します。
大体年2回正社員になるチャンスがあるというのが一般的です。
正社員になるための関門は、試験あるいは面接など、会社によって様々あります。ただし、正社員登用制度があると書いてあっても周知されていない場合や、実際にはほとんど正社員として起用しない会社もあります。
実際に何人が正社員登用制度を利用しているのか、どれくらい正社員になっているのかを口コミなどで確認しておくのがおすすめです。
まずは今働いている職場に正社員登用制度があるか、確認してみましょう。
紹介予定派遣制度を利用する
紹介予定派遣制度は派遣社員から正社員になりたい人なら必見の制度です。
これは正社員として起用するという前提でまず派遣社員として雇用しながら様子見をする期間が設けられるという仕組みです。
一般には6ヶ月の就業期間を派遣社員として過ごし、その段階で会社と本人との合意があれば、正社員として働くというルートになります。
場合によってはこの期間が早まることもあります。もちろん合わないと感じれば契約期間で終了することもできるので、求職者本人にとってもメリットが大きいです。
筆者は正社員になるという前提で考えていたため、この紹介予定派遣制度を行なっている会社に絞って就職活動をしていました。
ある程度時間をかければ派遣社員から正社員になれる確実性の高い方法といえます。
求人誌などの正社員求人に応募する
求人誌などの正社員求人に応募するのは最も一般的な方法です。
求人誌には応募時点で対象などの条件が書かれていることが多いため、自分に合った求人を見つけやすいです。
求人誌は駅ナカやコンビニ等、あらゆる場所で簡単に手に入るため、思い立ったらすぐにできます。
ただし、求人に応募する電話やエントリーシートの提出、面接の準備などは全て自分で行う必要があるため、自分でやることが多いという点に要注意です。
転職エージェントを利用する
とにかく早く正社員になりたい人は転職エージェントを利用するという手もあります。
転職エージェントとは、求職者と人材を求める会社とをマッチングし、主に求職者のサポートをしてくれる人たちです。
サポートは基本無料で受けられ、エントリーシートの作成から面接の準備や同行をしてくれるところもあります。
派遣会社の中でも紹介予定派遣に強いところ、特定業種に強いところなどがあるので、自分に合ったエージェント会社を選びましょう。
担当者次第で早く仕事が得られることもあれば、書類選考で落とされ続けることもあります。
最初は2〜3社位のエージェント企業を並行利用して、早く面接の予定を組んでくれるエージェントの紹介先に絞るというのも手です。
逆にエージェントが全然面接の予定すらも取り付けてくれない場合はあなたに合っていないかもしれません。
そういう場合は早めに紹介を断るのが無難です。
良きエージェントに出会うことも、派遣社員から正社員になる第一歩です。
⇒転職エージェントについてもっと知る
派遣社員から正社員になる最速の方法とは?
派遣社員から正社員になる最速の方法があります。
それは、稼げるスキルを身につけて手に職をつけてから就職活動を始めることです。もしくはスキルの勉強と就職活動の同時並行でもありでしょう。
特に正社員前提の紹介予定派遣制度を利用するなら、スキルがあるのと無いのとでは就職活動における難易度が段違いになります。
例えば筆者はWEB系のスキルがあったので、知人の紹介でWEBクリエイター専門の派遣会社を選んだところ、約2週間で採用決定の連絡をもらうことができました。
まずは書籍を買ったり専門スクールの説明会に参加したりして自分に合った専門スキルを探してみましょう。
派遣社員から正社員になりたいなら知っておくべき知識
派遣社員から正社員になりたいなら有利な制度やツールを活用すべきです。派遣社員から正社員になる上で、特に覚えておいて欲しい知識をまとめました。
3年ルール(5年ルール)とは?
3年ルール(5年ルール)とは、派遣社員は3年を超えたら職場を変えるか無期雇用契約に変える必要があるという制度です。
この3年ルールは派遣で働き続けられないというだけであって、正社員か契約社員など雇用形態を切り替えれば働き続けることができます。
また、同じ職場内だとしても部署異動をすることによって働き続けることは可能です。
ずっと同じ給料のまま同じ職場で働き続けるよりも、職場を変えるなどした方が派遣社員としての経験が積めるといったメリットがあります。
ちなみに契約社員の場合3年ルールが5年に延びることになります。
無期雇用=正社員?
先述の3年ルールで出てきた無期雇用という言葉、一見すると正社員を意味するように聞こえますよね。
確かに正社員として登用されるケースもありますが、実際には派遣社員を契約社員に切り替えたり、契約社員の契約を無期契約にしたりすることでもこのルールはクリアできます。
ですから必ずしも無期雇用=正社員では無いのです。この辺は転職サイトの口コミなどで確認しておくと良いでしょう。
知らないまま我慢して同じ職場で働き続けるのは安い給料でこき使われるだけです。
契約社員と派遣社員はどう違う?
派遣社員とよく似ているとされる言葉に契約社員があります。
派遣社員と契約社員の大きな違いは、派遣社員が派遣会社と雇用契約を結んでいるのに対して契約社員は会社と直接雇用契約を結んでいるという点です。
また派遣社員は数ヶ月単位の契約ですが、契約社員は最低6ヶ月程度の長めの契約になります。
派遣社員の場合は会社に対する不満があれば派遣会社の担当者を頼れば良いのですが、契約社員の場合は会社に相談するより他ないともいえます。
一般的には派遣社員からわざわざ契約社員になるメリットはほぼないと言えるでしょう。それなら正社員を目指す方が得策です。
⇒正社員になる方法となるメリットとは?
派遣社員から正社員になりたいならまずは行動!
派遣社員から正社員になるおすすめの方法をお話ししましたが、大事なのはとにかく自分で行動を起こすことです。
その次に自分に合った方法を選びましょう。
例えば20代くらいなら求人誌でも転職エージェントでもなんでも良いと思いますが、30代近くなったら転職エージェントを頼った方が良いといった違いもあります。
あとは自分の強みや目指す業界に合わせた転職エージェントを選ぶことも重要ですね。
いずれにせよ自分から行動を起こさない限りは何も変わりません。派遣社員から正社員になる年齢は若ければ若いほど成功率が高まります。
これを読んだらすぐに行動しましょう。