会社から懲戒解雇を言い渡されてしまったら、目の前が真っ暗になりますよね。
懲戒解雇で仕事を失ってしまったら、再就職は不可能なのでしょうか?
おそらく今のあなたは気になるかと思います。そこでこのページでは改めての話になりますが、
- 懲戒解雇とは何か?
- 懲戒解雇歴が会社に嫌がられる理由
- 懲戒解雇からの再就職を成功させる方法
といった内容についてお話しします。サラリーマンにとっての「死刑宣告」と巷では言われている宣告を受けたあなたのお役に立てるはずなので是非最後までご覧ください。
懲戒解雇とは何か?
そもそも懲戒解雇とはなんでしょうか。
解雇処分は色々とありますが、ここでは懲戒解雇、もしくは懲戒免職と呼ばれる処分について、詳しく解説していきます。
懲戒解雇処分を受けたからといって諦めるのはまだ早いです。まずは自分が懲戒解雇レベルに当たるのかどうか見てみましょう。
一般企業で最も重い処分が懲戒解雇
懲戒解雇は一般企業で最も重い処分です。
まだ情状酌量の余地がある場合は論旨解雇と言ってより軽めの処分を下す場合もありますが、懲戒解雇はいわば自分が100%悪いと言われているようなものです。
また、似た言葉に懲戒免職というのがありますが、こちらは公務員の場合に言い渡される処分であり、一般企業でいう懲戒解雇に相当します。
懲戒解雇を言い渡される理由
基本的に懲戒解雇になるのは明らかに悪意のある行為をして会社に迷惑をかけた時に限ります。懲戒解雇の対象に具体的な行為としては以下のようなものが該当します。
- 犯罪行為
- 会社の名誉を傷つける行為
- 経歴の詐称
- 長期間の無断欠勤
- 常軌を逸したセクハラ、パワハラ
- 警告を受けても悪質行為を繰り返す
経歴の詐称については、バレないだろうとふざけ半分で学歴詐称をしていたら懲戒解雇になった、という実例を身近で見たこともありました。嘘をつく行為は会社の信用問題に関わります。
軽い気持ちでやったことが懲戒解雇処分につながってしまうこともあるため、注意が必要です。
不当解雇だと感じたら撤回できることも
懲戒解雇を言い渡されても不当だと感じたら撤回できることもあります。
自分が悪くないのに自己責任と言われ、会社に都合が良いように懲戒解雇を言い渡されるケースもあります。
不当だと感じた際には迷わず労働基準監督署や労務に強い弁護士などに相談してください。
失業保険や給料はもらえる?
懲戒解雇処分になってしまった場合であっても失業保険や働いた分の給料は原則受け取れます。
ただし失業保険に関しては懲戒解雇歴があると給付を受けられるのが3ヶ月ほど後になるので注意してください。
失業保険についてはハローワークが窓口となるため、まずはこちらに相談しましょう。その際、離職票が必要になります。
離職票には「重責解雇」といった懲戒解雇を意味するワードが書かれているため、懲戒解雇であることはバレてしまいます。
ハローワークには懲戒解雇歴があることを隠しても無駄なので、早く言ってしまった方が無難です。
懲戒解雇されたことを話しても、職員に呆れられることはあっても職探しのサポートを断られることは無いので安心してください。
ハローワークというのは、色々な立場の人の求職をサポートする場所ですから、一般の転職エージェントよりも懲戒解雇に対する見方は優しいです。懲戒解雇されて再就職を目指すなら、まずはハローワークに相談しましょう。
再就職が厳しい3つの理由
懲戒解雇されたら再就職が厳しくなる、というのはなんとなくわかっている人がほとんどです。
しかしその具体的な理由はと聞かれたら答えられない人も多いでしょう。
採用担当者目線で何が問題なのかがわかれば対策も立てやすくなります。
懲戒解雇された人を雇いたくない会社の心理を見ていきましょう。
会社の信用問題になる
最大の理由は懲戒解雇された人間を雇っていることで、会社の信用問題に発展することがあるからです。
例えば、あなたの取引先の相手が懲戒解雇処分を受けたことのある人だったら、躊躇してしまうでしょう。それに可能であれば担当者を変えてほしいと思うはずです。
要するに懲戒解雇を受けた人材というのは「いわくつき人材」になってしまうのです。特に金融業などの信用が重視される業界においては懲戒解雇歴はよりシビアに見られます。
職場で噂になりやすい
懲戒解雇処分を受けた人間がいる、という事実は職場で噂の種になりやすいです。噂好きな人がいれば、一人に伝えただけであっという間に社内全体に広まってしまうでしょう。
そんなことになれば、社内の雰囲気が悪くなるでしょうし、何より本人が会社に居づらくなりますよね。下手をすれば、社内全体で仕事が手につかなくなってしまうかもしれません。
だからこそ、会社としては、今いる社員に不安を抱かせるような人は採用したくないのです。
自社で再びトラブルを起こされたくない
懲戒解雇処分を受けるようなことを一度した人間はまたやりかねない、と考えるのが普通です。
一度懲戒解雇レベルのことをしたという事実は将来まで尾を引いてしまうのです。もちろん更生してまっとうな人間になる例も多いですが、犯罪者に再犯が多いように、またやりかねないと考えられるのが普通です。
突出した人間でない限りは企業の選考における採用か不採用かの境目は意外とちょっとした要素で決まります。中でも懲戒解雇の有無は、迷ったら落とされる要素に真っ先に上がってくるでしょう。
無事に仕事を見つけるためのコツ
懲戒解雇歴は採用担当者から見て大きなネックにはなり得ますが、再就職が成功している例も少なからずあります。
変な話、一度犯罪をした人でも再就職出来ている例も多いのですから、諦めなければ懲戒解雇から再就職を成功させることもできるのです。
ただし、大きなマイナスを背負っている状態ですから、懲戒解雇からの再就職で気をつけければいけないポイントも多くあります。
ここでは懲戒解雇からの再就職を成功させる5つのポイントについて解説しましょう。
信用が重視される業界は避ける
先ほども言ったように、信用が重視される業界は懲戒解雇歴がわかれば真っ先に落とされる要素になります。
それならば、落ちる可能性が高すぎる業界は初めから受けないというのも手です。
懲戒解雇歴があると明らかに不利だとわかる業界を受けるよりも、より成功率の高い業界に的を絞って再就職活動をした方が効率的といえます。
履歴書に懲戒解雇と書かない
懲戒解雇歴を隠すのは論外なのですが、履歴書に書くかどうかは注意が必要なポイントです。
懲戒解雇だとしても、履歴書には「20○○年○月退職」と書くのが一般的です。つまり、自分から懲戒解雇、という表記を履歴書に書く必要はないのです。
それに採用する側としても懲戒解雇という4文字が書かれている履歴書を見た場合、履歴書を見た時点で落とすことを考えます。
矛盾しているようですが、懲戒解雇について嘘をつくのは問題外なのですが、履歴書の段階で懲戒解雇と堂々と書いたら落とされる、というのが現状です。
面接で懲戒解雇の経緯を正直に話す
面接で懲戒解雇の経緯は正直に話しましょう。
嘘をついてもちょっとしたことでバレますし、バレてしまえばさらに悪質とみなされます。
逆に懲戒解雇歴については自分からきちんと話すことで、誠実さをアピールすべきです。
中には触れられなければ話さないことを推奨する人もいますが、自分から正直に話した方が人として誠意ある対応といえます。
反省して更生する姿勢を見せる
懲戒解雇を受けたというマイナスをカバーするために必要なのは、面接において反省して更生する姿勢を見せることです。
過去に懲戒解雇を受けたという事実は変えられませんが、心を入れ替えて更生する姿勢があれば、その姿勢を買ってくれる人もいるはずです。程度によりますが、一度の過ちで気付いて更生できるのならまだ救いようはあるのです。
明るすぎず暗すぎずはっきり話す
懲戒解雇歴がある場合、面接での態度には細心の注意を払う必要があります。
具体的には明るすぎず暗すぎずはっきり話すことが大切です。
懲戒解雇されたという事実を受け止め、反省の色を見せるのは大事なことです。
しかしそれで暗くなりすぎては一緒に働きたいとは思われません。
逆にあまりに懲戒解雇歴を気にしていない素振りを見せてしまうのも問題です。
バランスが難しいですが、反省しているという姿勢は見せつつハキハキと話しましょう。
懲戒解雇は黙っていればバレない?
懲戒解雇を受けた事実は黙っていればバレないと言われますが本当でしょうか。
はっきりと懲戒解雇を受けた事実が書かれてしまうのは、離職票や退職証明書といった書類だけなので、隠そうと思えば隠せるようにも見えます。
しかし、取引先の関係や前職の会社へ照会されることでバレるリスクはあります。
懲戒解雇の事実を知った誰かがうっかり話してしまうなどということもあり得るのです。
中には懲戒解雇歴を隠すことを推奨する転職エージェントなどもいますが、はっきり言っておすすめできません。
そういう無責任なことを勧めるエージェントや担当者からは速やかに離れましょう。
懲戒解雇からの再就職におすすめの方法
懲戒解雇からの再就職は簡単ではありません。だからこそ、利用できるサービスは利用すべきです。
そこでここでは懲戒解雇からの再就職を少しでも成功に導くためにおすすめの方法を5つご紹介します。
ハローワークを利用する
懲戒解雇からの再就職において、真っ先に頼るべきところがハローワークです。
様々な経歴を持つ人のサポートをしてきているハローワークであれば、懲戒解雇歴のある人にも慣れています。
また、失業保険を受け取る手続きもハローワークで行う必要があるため、再就職活動に踏み出す資金調達のためにも最初に行くべき場所と言えます。
転職エージェントを頼る
転職のプロフェッショナルといえば転職エージェントです。
キャリアカウンセリングやエントリーシートの書き方、面接の仕方など、様々な面からサポートを受けることができます。
企業とのマッチングにより報酬が発生するシステムなので、求職者は基本的に無料でサポートを受けられるのも嬉しいところです。
ただし、ハローワークなどと違って民間企業ですから、懲戒解雇歴があることを理由にサポートを受けられなかったり、冷たく扱われたりすることも多くあります。
懲戒解雇からの再就職に理解のある転職エージェントを探しましょう。
専門スクールでスキルを身につけて臨む
再就職活動を始める前に、専門スクールでスキルを身につけてから臨むという方法もあります。
最初に時間とお金はかかりますが、スキルによっては懲戒解雇歴というマイナスをカバーしてむしろプラスになることすらあります。
専門スクールの中にはスキルを教えるだけでなく、キャリアサポートまで手厚く行っているところも多いのです。
時間とお金の初期投資をしてでも就職して収入を得られるのであれば、収入ゼロよりはむしろプラスになるでしょう。
中小企業に絞って就活する
懲戒解雇されてからの再就職なら中小企業に絞って就活するのがおすすめです。
一般的に大企業よりも競争率が低く、懲戒解雇歴があっても前職にわざわざ照会しないところも多いからです。
人気の大企業のように募集人数に対して応募者数が多ければ、懲戒解雇歴があるだけで落とされる確率が高くなります。
一方で中小企業の場合、そもそも募集人数に対して定員割れを起こしている企業も多くあるのです。
無理にブラック企業でも入れとまでは言いませんが、懲戒解雇からの再就職で選り好みは禁物です。
懲戒解雇されている時点で就職市場における自身の価値はマイナスになっているという自覚を持ってください。
思い切ってフリーランスになる
懲戒解雇歴がネックになるのであれば、再就職にこだわる必要はありません。思い切ってフリーランスになるという手もあります。
会社と違ってお客さんとの一対一のやりとりになれば、あなたの前職や経歴よりも人となりを見てくれる人を選んで仕事を受けるという選択もできます。
この場合、売りとなるスキルを身につける必要はあります。まずはクラウドワークスなどで、簡単な仕事から受注してこなすだけでも立派なフリーランスです。
再就職に悩んだらこんな道もあるのだと覚えておいてください。なお、無職の状態からフリーランスになる手順については以下のページでまとめているので是非ご覧ください。
⇒無職の状態からフリーランサーになる方法
諦めずに行動し続ければ仕事は見つかる
懲戒解雇になった時、大事なのは誠実に努力し続け、諦めないことです。
あなたの人となりを見てくれる人はきっといます。
会社だけに固執せず、フリーランスといった選択肢も視野に入れながら、とにかく仕事を探してみましょう。
諦めなければ道は開けます。まずは再就職に向けて、根気よく行動してみましょう。なお、再就職に役立つ記事については以下にてまとめましたのでよろしければどうぞ。