現代は様々な理由でフリーターをしている人が約138万人います。
この138万人の中には正社員になりたいと考えていてもなれないという人も一定数います。
一般的にはフリーターから正社員になるのは難しいといわれますが、ポイントを押さえれば難易度はそこまで高くありません。
しかし、いくら「ポイントを押さえれば正社員になる難易度はそこまで高くない」、といってもポイントが分からないと実感できないと思います。
そこでこのページではフリーターから正社員になる際の王道のパターンやフリーターから正社員になりやすい職種等についてまとめてみました。
その他にも以下のような内容にも触れておりますので今のあなたのお役に立てるはず。
- アルバイトと正社員の違いは?
- フリーターを続けるリスクは?
- バイト生活を抜け出すためにやるべき事
まずは当ページでご紹介する内容を一覧にしてみましたのでご興味がある箇所だけでもご覧ください。
正社員とフリーターの違い
そもそもなぜフリーターから正社員を目指したほうが良いと言われるのでしょうか。その理由はフリーターと正社員では明らかな違いがいくつもあるためです。
このフリーターと正社員の違いにはどんなものがあるのかをご理解頂くために両者の主な相違点についてこれからご紹介します。
生涯年収金額
フリーターと正社員の生涯年収は大きく違います。
厚生労働省のデータによれば、大卒フリーターと正社員の賃金格差は20代ですとさほどありませんが、40代になると2倍以上になっています。
生涯年収で見ても、フリーターは6千万円〜9千万円、正社員は2億円〜3億円と2億円以上の格差があるといわれているのです。
20代のうちは初任給とアルバイトの昇給の違いもあり、フリーターのほうが高時給のように見えることも多いのですが、生涯年収で考えると正社員の稼ぎのほうが圧倒的に高いことがわかります。
時間の自由が利くどうか
フリーターは正社員と違い、時間の融通が利きます。
仕事によっては自由シフトで働くことができますし、正社員と違って休みたい時には休めるケースがほとんど。
正社員は責任が伴う分、仕事時間が決まっていたり、アルバイトの従業員の穴を埋めなければいけなかったりすることもあります。
フリーターの方が正社員より時間の融通は利くといえるでしょう。
社会的ステータス
残念ながら、フリーターの社会的ステータスは低いです。
正社員であれば問題なくできることが、フリーターだとできないというのはよくある話です。具体的に言えば、
- 家を借りる
- クレジットカードを作る
- ローンを組む
これらの際にフリーターであることが障壁になりえます。
フリーターは正社員と比べて経済的に不安定で収入の基盤が弱いことが、その理由になっているのです。
失職リスク
フリーターは正社員と比べて失職リスクが圧倒的に高いです。
正社員を理由なく解雇することはできないので、経営危機に陥れば真っ先に解雇するのは非正規社員、つまりフリーターです。
フリーターから正社員になることを目指すべき大きな理由の一つです。
福利厚生の有無
福利厚生というのは従業員が受けられるサービスです。企業ごとに制度は異なりますが、基本的には正社員のみ受けられるものが多いです。
最近は労働制度が改善されて、フリーターでも勤務日数次第で社会保険に入れるなどしていますが、それでも正社員とは大きな格差があります。
たとえば有給休暇、育児休暇や手当がもらえるなどといった制度は正社員には当たり前でも、フリーターが受けられることはほぼありません。
福利厚生制度があることで、結果的に出費を抑えられたり失職せずに済むことを考えると結果的に収入アップにつながっているともいえます。
仕事の責任の重さ
フリーターは仕事の責任範囲が狭いですが、正社員になれば仕事の責任が重くなります。
たとえば顧客の苦情処理や仕事の納期を間に合わせることは、最終的に正社員の仕事になりますよね。
シフト制の仕事の場合は誰かが抜けた穴を埋めるのは正社員です。
仕事の責任の重さが違うからこそ、同じような仕事をしているように見えても給料が違うのは当たり前といえます。
もらえる年金額
老後の大事な資金である年金ですが、正社員とフリーターではもらえる金額が大きく違います。
正社員は基礎年金に加えて厚生年金がもらえるため、収入に応じてより多くの年金がもらえます。
それに対してフリーターは基本的に国民年金に加入することになるので、各地方の制度に則って、収入に関係なく一定額の年金しかもらえません。
今年度の国民年金保険料は16,540円であり、もらえる年金額は全額きっちり納付した場合で月額6万5千円です。
それに対して正社員の場合は平成30年の年金受給状況を見ると、平均月額145,865円です。
フリーターから正社員になれば、老後の資金は倍以上違うといえます。
バイト生活を続ける3大リスク
なぜフリーターから正社員になるべきだと言うのかというと、将来的に大きなリスクがあるからです。
どれも20代のうちには気づきにくいですが、将来的に大きな打撃になります。この事をご理解頂くためにフリーターとして働き続けることで生じる3つのリスクをご紹介していきます。
頑張って働いても収入が増えない
フリーターは懸命に長く働いたとしても、なかなか収入が増えません。
なぜなら昇給も少なく賞与(ボーナス)も無いからです。
たとえばいわゆるバイトリーダーのような立場になっても、普通のアルバイトとの差は数百円程度ということも多いです。
また、こういった昇給制度があっても昇給段階が少ないことが多く、すぐに頭打ちになります。
これに加えて正社員と違って退職金も無いため、フリーターは将来の貯蓄ができず、老後の資金も危うくなるのです。
結婚できない
フリーターだとしても20代のうちは恋人同士でもいけるかもしれません。しかし、いざ結婚となれば話は変わってきます。
いくら本人同士の同意があれば結婚できるとはいえ、世間の目や親族との関係というものがあるからです。
相手がフリーターであることを気にしていなくても、相手の親は気にして反対されるというのはよくあることです。
ときにはフリーターというだけで、酷い言葉を浴びせられて門前払いされることだってありえます。
フリーターは正社員と比べて社会的ステータスが低く、信用がありません。そんな相手に自分の娘や息子を預けるなんてできないという親の気持ちはごもっともなのです。
老後の資金が不足する
フリーターは正社員よりも老後の資金が不足するリスクが圧倒的に高いです。
先述したように、フリーターは老後の年金が正社員よりも少ないです。それに加えて退職金ももらえません。
さらにそもそもの収入が少ないのですから、貯蓄も難しいです。これでは老後の資金が不足するのは明らかでしょう。
フリーターと正社員の収入格差は老後にまで響いてくるのです。ここで取り上げなかった
フリーターから正社員に就職する方法
「フリーターから正社員になったほうが良いのはわかったけれどもそれが難しい」
そういった声もよくわかります。
実はフリーターから正社員になるのに便利な制度やルートはたくさんあるのですが、フリーターの多くはそれを知らずに損をしています。
この事をご理解頂くためにここではフリーターから正社員に就職するのにおすすめの制度や手法をご紹介します。
インターンシップの利用
インターンシップ制度は新卒の就活生のものと思われがちですが、最近は学生以外でもインターンシップ制度を利用できる会社も多いです。
会社としても、いきなり正社員として採用するよりもじっくり見定めることができるため、メリットがあります。
社会人のインターンシップ制度は主にWEB関係の企業でやっていることが多いので、探してみましょう。
人材派遣会社利用
人材派遣会社を利用するのはフリーターから正社員になる一般的な方法です。特に紹介予定派遣制度は正社員を目指す際に非常に便利です。
紹介予定派遣制度とは、6ヶ月間の派遣社員として働く期間を経て、正社員になるかどうか、会社と労働者側で合意の上で決めるというものです。
働き口を確保しながらじっくり会社を見られるので、会社にも労働者側にもメリットがあります。
ただし必ずしも正社員になれるわけでは無いという点は要注意ですね。
ハローワークのトライアル雇用
ハローワークのトライアル雇用をご存知でしょうか。
就業経験があまりない35歳未満の人など、一定の条件を満たした場合に受けられる制度です。
紹介予定派遣制度と似ていて、こちらも短期間の雇用を経て会社と労働者双方の合意があれば正社員として採用されるという制度です。
まずはハローワークにて、自分が条件に当てはまるかどうか聞いてみましょう。
就職活動に取り組む際の注意点
フリーターの就職は簡単ではないからこそ、気をつけるべきポイントがあります。3つのポイントをお話しします。
フリーターから正社員になる期限を決める
フリーターから正社員になる期限を切らないと、なかなか上手くいきません。
ズルズルと仕事選びに時間をかけてしまったり、フリーターからなかなか抜け出せないままに年齢を重ねてしまったりと難しくなっていきます。
フリーターから正社員になる理由を明確にして、期限をしっかり決めましょう。遅くとも30代のうちには抜け出すことです。
フリーターと変わらない仕事は避ける
正社員でもフリーターと変わらない仕事は避けましょう。具体的には事務仕事などの単純作業です。
これではスキルも身につかないので、収入も上がりません。フリーターから正社員になる意味がなくなってしまいます。
仕事内容はしっかりと確認してから就職を決めましょう。なお、将来性のある仕事と将来性のない仕事の一例については以下のページでまとめているのでよろしければどうぞ。
ブラック企業を避ける
フリーターから正社員になるならブラック企業にも気をつけましょう。
いくら正社員でもブラック企業ではフリーターと同じかそれ以下の待遇になる可能性が高いからです。
ブラック企業では福利厚生制度がしっかりしておらず、実質受けられないことが多いです。さらにサービス残業などが多く、身体に影響が出ることもあります。
会社の経営状態や、業務実態は社員に直接聞けると良いですね。せっかくフリーターから正社員になるのですから、そのメリットをしっかり受けられるところにしましょう。
正社員になりやすいおすすめの仕事紹介
フリーターから正社員になるなら仕事選びが重要です。せっかくならキャリアアップできる仕事がいいですよね。
自分の手に職となるスキルを身につけ、それを磨くことでどこでも通用する人材になれる仕事を選ぶのが重要になります。
そこでここではフリーターから正社員になる際に目指すべきおすすめの仕事とそのなり方を3つご紹介します。
WEBデザイナー
WEB業界の中でも仕事の幅が広いWEBデザイナー。
WEBサイトのバナーやロゴといった細かいパーツからサイト全体の制作まで、大小幅広い仕事があります。
WEBデザイナーを目指すなら、WEB制作会社のアシスタントとして未経験採用枠に応募するのが最も確実です。
ただし、狭き門でもあります。
WEBの専門スクールに通ってデザインスキルを身につけてからなら、スクールのキャリアサポート制度を利用して、フリーターから正社員になるのも比較的楽になります。
お金はかかりますが、フリーターから正社員になるメリットのほうが確実に大きいでしょう。
WEBエンジニア
ハードルが高いと思われがちなWEBエンジニアですが、今最も需要が高い仕事といえます。
エンジニアはWEBサイトの目に見えない部分であるサーバーなどのメンテナンスや運用を行うのが仕事です。
年収1,000万プレイヤーになることも夢ではない仕事ですから、フリーターから人生一発逆転というのもありえます。
人手不足なので未経験者の採用にも積極的であり、求人も多いです。
もちろん未経験枠に応募するのもありですが、スキルのないまま応募すればフリーターという経歴が足かせになることもあります。
エンジニアの専門スクールでスキルを身につけていけば、フリーターから正社員という道の障壁も下がるのでおすすめですね。
会社としても、スクールと連携を取ってスキルのある人材を採用したがっているので、よりハードルが低いといえます。
フリーターからエンジニアとして正社員になるならスクールに通っておくのがおすすめですね。
CADオペレーター
CADオペレーターというのは聞き慣れない仕事かもしれません。実は建設業界の設計部分などを担っている大事な仕事です。
CADというソフトを使うため、小難しく感じるかもしれませんが、ソフトの使い方さえ覚えてしまえばいいともいえます。
あまり知られていない仕事でありながら、収入も安定していておいしい仕事といえます。スキルアップすれば昇給が見込めるのも嬉しいところです。
派遣社員としてのCADオペレーターの求人も多いので、そちらに応募するのが定石です。
CADオペレーターになるための通信講座や専門スクールなどもあるので、そちらを利用してフリーターと並行して勉強するのも良いでしょう。
フリーターから正社員になって「CADオペレーターやってます!」というのは良い話題になるかもしれませんね。
まずはできる事をやろう
フリーターから正社員になるために一番重要なのは諦めない事です。特に職探しで苦戦をしても粘り強く継続する姿勢が欠かせません。
というのもフリーターから正社員になるための就職活動は、新卒の就職と違って大学などが懇切丁寧に教えてくれたり背中を押してくれたりすることはありません。
それにフリーターという肩書で働いていた経験は基本的に肯定的にみられることはないので企業の採用面接で詰められることもあるでしょう。
大変で心が折れそうになるかもしれませんが、今のあなたができる事を地道にやることが欠かせません。やれることの一例としては、
- 専門スクールの無料説明会に参加する
- ハローワークに足を運んでみる
- 就職エージェントに登録する
なんてものがあります。
これらはやる気次第では今日・明日で行えます。頑張れば誰でもできる事を積み重ねることがフリーターから正社員を目指す際には非常に重要になります。
これを読んでいる皆さんがフリーターから正社員への道に進めることを心よりお祈りしています。
最後にこのページに目を通された方にお勧めの記事をご紹介しますのでぜひご覧ください。