突然ですが、管理人のぼやきを聞いてください。
実は管理人は先日ネットサーフィンをしていたら「変化の激しい今の時代には手に職をつける意味がない」という趣旨の記事を複数見つけたんです。
記事の中で取り上げられていた主張は当サイトの管理人が推奨している「手に職をつけて会社や国に頼らないで生きていける人間になろう!」という主張とは真逆の考えだったのでついつい熟読してしまいました。
言うまでもないことですが日本には表現の自由がある以上、「手に職をつける意味がない」という主張を頭ごなしに否定する気は管理人にはありません。
しかし、管理人は最後に自分のことを支えるのは培ったスキルやこれまで積み上げてきた経験だと信じておりますのでいくつか思うことがあったのは事実。
そこで今回は管理人の備忘録も込めて「手に職をつける意味がない」と言っている人たちの主張の論拠とその主張に対して管理人が感じた内容を書いていこうと思います。
手に職に意味がないという主張の根拠
まずはじめに「手に職を持っても意味がない」という主張の論拠になっていた5つのポイントを一覧にしてみました。
- 大半の資格やスキルは提供過剰
- 勉強がお金に繋がらない事も多い
- 職務経歴がないと仕事を得られない
- AIに代替される資格やスキルは多い
- 大半の人は途中で挫折をする
こちらの5つの内容の特徴については簡単にご紹介します。
大半の資格やスキルは提供過剰
こちらの内容で表現されていたのは一昔前では弁護士や税理士の資格を持てば人生はバラ色と言われていましたが、今はそんことはないとのことでした。
事実、弁護士の数は増えておりますので資格を取っても弁護士事務所に入れない「ノキベン」と言われる弁護士は一定数発生するとのことでした。
それに税理士に関しても有資格者の数が増えており、資格取得者のレア度がかなり下がっているなんて内容もありました。
要するに難関資格でも保有者がワンサカといるので普通の資格やスキルを取っても労働市場では大して魅力的な人材にはなれないとの話でした。
この話は管理人も間違ってはいないとは思いますが、全面的には同意はできませんでした。
事実、難関資格を持てばその資格をベースに仕事にありつけるので「手に職を得ることが意味がない」とまでは言えないのでは?と感じました。
勉強がお金に繋がらない事も多い
こちらは資格やスキルを手に入れることは尊い行為とは言え、年収アップに繋がらないケースもあるという内容でした。
より分かりやすく言えば大抵の資格やスキルには取得後に見込まれるお金が大したことないということです。
実際、手に職をつけるために多くの人が取ろうとする簿記2級や介護士といった資格を取得しても決して富裕層にはなりません。
それに難関資格のひとつであるTOEIC900点というスコアを取っても英語を使わない仕事をしていれば全く収入アップにも繋がらない、なんて事例も取り上げられていました。
こういった事実を考えると「手に職を得ても収入アップに繋がらない」というのは正しいように思えますが、それは選択の問題。
実際プログラミングをはじめとした身につければほぼ確実に年収アップにつながるスキルを意図的に選べばスキルが一定水準になった時点で収入アップが見込めます。
つまり年収アップの不確実性に関しては、年収アップに繋がるスキルを選べば何も問題にならないのです。
職務経歴がないと仕事を得られない
そして三つ目に取り上げる手に職が意味ないという論拠はスキルを得ても仕事を得られるかということは別だということです。
こちらをより端的にお話ししますと必死でWEBデザインのようなスキルを学んだとしてWEBデザイナーになれるかは別、ということです。
つまり生まれてこの方WEBデザインの実務経験がなければデザイナーとして採用してもらうことは難しいよ、といった話です。
このキャリアがないとスキルを得ても仕事を得られないということに関しては、管理人も半分は同意できますが、半分は異論があります。
なぜなら今の時代ですとスキルさえ保有してしまえばそのスキルをベースに個人で仕事を受けることもできてしまうからです。
そして個人で仕事を引き受けた実績を積み重ねていけばその経験をベースにキャリアチェンジをする道もあります。
この点を考えると「スキルや資格を得ても仕事にありつけないから手に職を得る努力は意味がない」という話は本人の心がけ次第、という結論になるように思えてなりませんでした。
AIに代替される資格やスキルは多い
手に職をつけることが意味がないという論拠の四つ目は AI が仕事を奪ってくという話がありました。
こちらの話を端的に言いますと、今人間が担当してる仕事の半分は10年以内に機械に取って代わられるので手に職をつけても意味がないということを指します。
この「AIに仕事が奪われるので手に職をつける意味がない」という主張に関しては管理人としては半分は同意するものの半分は否定的な見解となります。
まず前者の同意できる点という点に関しては、機械化がどんどん進んでいけば人間の仕事が減るという事実は認めます。
現につい最近までは人間が担っていた株のトレーダーの仕事もAIを使った自動売買に任せたほうがいい結果が出るくらいですしね。
こうなると株の売買技術を身に付けたトレーダーの努力が結果として無駄になってしまいます。ただし、これは一部の仕事のケースです。
現にAIに取って代わられない手に職となるスキルやAIを作る側の立場に立てるスキルがあれば AI に仕事を奪われずに済みます。
端的に言えばAIのプログラムを作る制作者になったり、機械ではなかなか代替されないゼロからビジネスを作れるイノベータータイプの人材になればよいのです。
まとめると 「AIに代替されるから手に職をつける意味がない」というのはどんなスキルを身につけるか次第で話が変わるのです。
大半の人は途中で挫折をする
そして最後に取り上げる手に職を身につけても意味がないと言う点に関する論拠は多くの人は勉強を始めてもスキルを得られないという点。
こちらに関してはスキルアップに興味を持っても半分以上の人は途中で挫折してしまうということが取り上げられていました。
当然かもしれませんが、途中で挫折をするとスキルを得るために利用したお金は勉強時間が無駄になってしまいます。
この挫折リスクがあるがゆえに、手に職をつける努力は意味がないということです。
実際何かを続けることは難しいので「手に職をつけるための努力をすることは意味がない」というのは分からなくはありません。
しかしこれは手に職を身につけることが意味がないということではなくて単純に一人ひとりの意思の問題になってしまいます。
そのため、手に職を身につけること自体に意味がないというわけではないと考えてはおります。
特殊なスキルを得ることの3つのメリット
ここまで手に職を得ることが意味がないという主張とその主張に対する管理人の見解をご紹介しました。
もしあなたがここまでの内容を見て「手に職をつける意味はないんだね」と少しでも感じてしまいましたら私としては非常に残念です。
なぜなら、手に職をつける事には管理人としては非常に多くのメリットがあると考えているためです。そして手に職をつける事で得られる主なメリットとしてはこれから紹介する3つがあります。
- 30代以降にも失職リスクとは無縁
- 底辺に落ちても這い上がれる
- 人生の選択肢が広がる
今取り上げた3つのメリットの詳細については上から順番に簡単にご紹介します。
30代以降にも失職リスクとは無縁
実は特殊なスキルや特殊な経験をしていないと30代半ば以降の再就職はかなり厳しくなります。
なぜなら、これは管理人の知人の転職エージェントの方に聞いた話になるのですが、30代半ば以降になると企業はその人材を「若手」とは見ないためです。
そのため、教育が必要な素材ではなくて「完成された人材」であることを求めるので企業に対して提供できる価値やスキルがないと基本的には仕事にありつけません。
そうなると最終的な再就職先は時給1,000円のコンビニやスーパーのバイトしかない・・・なんてことも十分に起こってしまうのです。
その一方でスキルや資格がなければ再就職が厳しくなる30代半ば以降になっても手に職となるスキルがあれば転職も簡単です。
それに年齢を理由に雇ってくれる会社がなければフリーランスとして個人で仕事を受託する事も出来るので失職の心配は事実上不要。
この「次の仕事がすぐに見つかる」、というのは手に職を持つ大きな意味だと管理人は考えております。
底辺に落ちても這い上がれる
これは管理人の経験を込めての話になりますが、人生いつどんな時に底辺に落ちるか分かりません。ぶっちゃけた話、誰もが底辺に落ちる可能性があるのです。
例えば地元の両親が体を壊し、介護離職をせざるを得ない、なんてことは誰でも起こりえますよね。
この介護離職が理由で会社を辞めてしまい、再就職が出来なくなって貧困に陥るなんてケースはいくらでもあります。
それが手に職があれば致しかねない理由で無職になったとしても今まで培ったスキルで仕事を手に入れることが出来ます。
仮に無職になってもすぐに這い上がれるというのは手に職を持つことの大きな意味と言えるでしょう。
人生の選択肢が広がる
個人で仕事が取れるだけの手に職となるスキルがあれば人生の選択肢が広がります。
だって会社員として働くことは当然できますし、個人で仕事を取って食べていくことも出来ますし、起業するという思い切った行動も選択肢の1つにあがります。
それに世界中で働けるスキルをひとたびに得てしまえば日本以外で生活することも出来てしまいます。海外でも働ける手に職となるスキルについては以下のページでまとめているので良かったらご覧ください。
話をまとめますと、手に職をつければ「日本で会社で週5日働かなくてはいけない」という常識的な生き方に縛られずに済みますので人生の選択肢の幅が圧倒的に広がるのです。
一本足打法が危険なのは事実
これまでの話で「手に職を持つことは意味がない」という論調は基本的には当てはまらないということが分かったと思います。
しかし、管理人は「手に職を持つことは意味がない」という主張をする方々の考え方の全てを否定する気はありません。それではどうしてでしょうか?
技術や技が不要になることもある
実は永遠に必要となる技術や技というのはほとんどありません。
例えばですが車が大衆に普及する以前の時代の主な人間の移動手段は何だと思いますか?
こちらの答えには色々な答えが出ますが、大正解の1つに馬車があります。つまり車が普及する前の時代では馬車を上手く運転する技術は重宝されていたのです。
しかし、馬車よりも早く移動が出来る車が普及するようになれば馬車は移動手段のメインから外れました。それは当然ですよね。
こうなると馬車の運転技術を持っていることには大きな意味は持ちません。つまり、馬車を自由自在に操れる技術の価値は大暴落してしまったのです。
このように何か1つの技術を持っていてもその技術が不要になるリスクがある以上、1つの技があれば一生安定、とは言えないのは事実です。
そういう意味では「手に職を身に付けても意味がない」という主張の一部は正しいと言わざるを得ません。
結論:選択と保有スキルの拡張が鍵
そろそろこのページの内容は終わりますので最後に今回ご紹介した内容の中で特に重要になる4つのポイントを一覧にしてみましたのでご覧ください。
- お金にならない手に職があるのは事実
- 市場性のあるスキルを得れば人生が一転する
- 失職リスクとは無縁になる
- 一生安泰なスキルや資格は基本的にない
特にこの4つの中でも一番はじめに取り上げた「お金にならない手に職となるスキルがあるのは事実」と「一生安泰なスキルや資格は基本的にない」という事実は知っておくことがあります。
そのため、手に職をつけるのでしたらお金になる技を選ぶのが無難ですし1つのスキルを得た後はそのスキルに頼りすぎずに新たなスキルを覚えることをおすすめします。
ちなみに前者のお金になるスキルの一例ついてはこれからご紹介するページでまとめておりますのでぜひ目を通してみてくださいね。